ガスコンロが危険は思い込み?安全になったと言える理由

ガスコンロバーナーの写真

ガスコンロは危険だと思い込んでいませんか?

最近のガスコンロはいろいろなセンサーが付いていて、かなり安全になっているんです。

それなのに、ガスは危険だというイメージだけでIHコンロにしてしまうのは、もったいないと感じます。

というのは、停電でも使える・鍋を選ばない・鍋を振れるなどの、ガスコンロにはガスコンロなりの良さがあるからです。

そこで、今回は、どうしてガスコンロが安全になったと言えるかについて書いていきます。

ガスにしろIHにしろ、偏ったイメージではなく、ちゃんとした情報を持ってコンロを選択して頂きたいと考えるからです。

火が消えるとガスが止まる

点火できなかったときや吹きこぼれて火が消えてしまったとき、そのままガスが出続けると、ガスが溜まって爆発する危険がありますよね。

ですが、よほど古いガスコンロか業務用のコンロでなければ、これを防止するセンサーが付いています。

一般的なガスコンロは、センサーがついていて、火が消えているときにガスが漏れるということはないんです。

このセンサーについて簡単に説明します。

下の写真の赤い丸で囲んだ突起物が、火が点いているかを常に見張っているセンサーです。

熱電対の画像

コンロに点火して、このセンサーに炎か当たると、センサーが電流を流します。その電流が流れているときだけガスを出し、電流が流れなくなるとガスを止める仕組みになっているんです。

もし吹きこぼれて火が消えてまうと、電流が流れなくなるので、ガスが漏れ続けることはないんですね。

昔は、吹きこぼれたのに気付かないでいると、ガスが漏れ続けて爆発することがありました。そのため、ガスは危険というイメージがあるのでしょう。

ですが、最近のコンロは、ガスが漏れて爆発するということは、まずありません。

温度センサーが鍋底の温度を見張っている

ガスコンロで火事になる原因に、天ぷら油に着火してしまうことがあります。

これに対して間違った認識をしている方が多いです。

天ぷら油に着火するのは、ガスの火が、天ぷら油に回るからだと思っている方が多いんですね。

これは間違いです。

天ぷら油に着火する原因は、天ぷら油の温度が上がりすぎて自然に発火してしまうことです。

なので、火がないIHコンロでも天ぷら火災は起こります。

この火災を防ぐために2008年10月に法律が変わり、それ以降は、すべてのバーナーに温度センサーが付いていないと、コンロは販売出来なくなりました。

ですから、それ以降に販売されたコンロなら、温度センサーが鍋底の温度を見張っていて、天ぷら油の温度が上がりすぎて火事になる前に、火を弱めたり止めたりします。

そのため、ガスコンロで天ぷら火災が発生することが激減したのです。

ちなみに、温度センサーがあるのに天ぷら火災が無くならないのは、天ぷら油を少なくしていることが原因です。

最近は、油の劣化を気にして、少ない油で揚げ物をする方が多くなりました。

油の量が少ないと、急激に油の温度が上がるので、センサーが作動する前に発火してしまうことがあるんです。

ガスコンロの場合、下の写真の赤いまるで囲んだ温度センサーが可動式になっていて、常に鍋底に接する構造になっています。

温度センサーの画像

天板のガラス面の下に温度センサーがあるIHコンロに比べて、センサーが敏感なんですね。

メーカーのサービスマンは、天ぷら火災に関しては、センサーが敏感なガスコンロの方が安全だと言っていました。

消し忘れ消化機能がある

最近のガスコンロは、消し忘れても一定の時間が経つと火が消える、消し忘れ消化機能が付いています。

機種やメーカーによって時間は違いますが、パロマですとコンロが120分、魚を焼くグリルが15分となっています。

この時間の前でも、鍋が焦げ付く温度になれば焦げ付き消化機能、油が発火する温度になれば、過熱防止機能が働いて、火が消えます。

なので、仮に消し忘れても、コンロが火を消してくれるので安全になったのです。

ゴムホースが切れてもガスが止まる

昔は、いろいろなガス器具がゴムホースでつながっていました。

このゴムホースが切れて、ガスが漏れることもありました。

ですが、最近はガステーブルと炊飯器の一部しか、ゴムホースでつなぐことが出来なくなっています。

切れない素材でつなぐことが義務になっているんですね。

また、ゴムホースでつなぐことができる機種でも、元栓はヒューズコックになっています。

ヒューズコックとは、ゴムホースが切れてガスが漏れたときに、ガスを止める機能が付いた元栓です。

この元栓が付いているので、ゴムホースが切れてしまっても、大量のガスが漏れることはありません。

この点も、昔に比べて安全になっています。

ガスメーターで使用状況を見張っている

ほとんどの方はご存じないと思いますが、ガスの使用量を計っているガスメーターも、昔に比べて高機能になっています。

常に使用量を見張っていて、異常があると、メーターがガスを止めるようになっているんです。

例えば、普段の使用量よりも多くのガスが流れた場合には、ガスが漏れているかもしれないと判断してガスを止めますし、長時間使用しても、消し忘れているかもしれないと判断してガスを止めます。

また、ガス配管が壊れてガスが漏れたらガスを止めますし、ガス配管から微小な漏れがあっても警告を表示します。

加えて、メーターには地震が起こったときにガスを止める機能も付いているので、大きな地震があってもガスは漏ません。

以上書いてきたように、

  • 火が消えたらガスが止まる
  • 温度センサーが鍋底の温度を見張っている
  • 消し忘れ消化機能がある
  • ゴムホースが切れてもガスが漏れない
  • メーターが使用状況を監視している

のような機能があるので、最近のガスコンロは安全になったと言えるんです。

ですから、危険だというイメージだけで、ガスコンロを選択から外すのはもったいないと感じるのです。