源流釣りでクマに威嚇されて焦りまくった体験談

源流釣りは、人工物のまったくない自然の景色や、たくさんのイワナに出会えるのが魅力です。

ですが、それは、クマの生息域にお邪魔することにもなります。

なので、源流釣り師はクマとの遭遇体験がある人も多いです。

私も、その例に漏れずクマと遭遇してしまいました。

運良く、林の中にいるクマにほえられるだけで済みましたが、そのときは焦りまくったんです。

今回は、私が源流釣りでクマにほえられて焦った体験を書いていきます。

クマにほえられたときの状況

私がクマにほえられたのは、奥入瀬渓流の支流で、良さそうな川を探しているときでした。

最初に入った川が気に入らなかったので、違う川を探そうと林道を戻っている途中、林の中から「ヴォー、ヴォー」と重低音の鳴き声が聞こえてきたのです。

あまりに重低音な鳴き声に、最初は動物の鳴き声だとは思わずに、「空耳かな？」と思って、そのまま林道を進みました。

すると、その声はどんどん大きくなっていったのです。

鈍感な私も、さすがに「クマだ！！」と思いました。

急に襲ってくるわけではなかった

クマの存在にやっと気づいて立ち止まった私を、クマは襲ってくるわけではなく、林の中から威嚇し続けていました。

人を襲ったことがないクマは、人間のことを恐れていて、クマとしても人間には遭いたくないと言われています。

私がほえられたクマもその通りで、林の中から私に「こっちに来るな！！」と言うようにほえ続けていました。

クマに近づいたとしても、距離があれば、急に襲ってくるわけではないようです。

姿が見えないのも半端なく怖い

クマを見るのも怖いですが、どこにクマがいるのか分からない状況で威嚇され続けるのも、半端なく怖かったです。どこから襲われるか分からない恐怖があるんです。

なので、必死に鳴き声のするほうに目を凝らしましたが、どうしてもクマの姿は確認できませんでした。

林の中から「ヴォー、ヴォー」と重低音の鳴き声が聞こえるだけなんです。

本来なら、この場面は、後ずさりしながらクマから離れるのが正解でしょう。

ですが、このときの私は、後ずさりで離れるのも怖いと感じて出来ませんでした。

なんといいますか、後ずさりで離れると、クマに「私は逃げるよ！弱いから！」というのが悟られてしまうと思ったのです。

「弱そうだから襲ってやろう！」となるのではないかと思うと怖かったんですね。

なので、身動きができず、立ち尽くしたままクマの姿を探し続けました。

手を叩いて音を出しても逃げていかない

どうするべきか考えたのですが、私は初めてのクマとの遭遇だったので、良い案は浮かびませんでした。

直感的に、「このまま進むのはマズい」とは思いました。

ですが、先程も書いたように、後ずさりするのも怖かったんです。

なので、こっちもクマを威嚇して、クマに逃げてもらおうと考えました。

（今考えると馬鹿ですね。ですが、その時はそれしかできませんでした）

ただ、爆竹やロケット花火を持っていなかったので、手を叩いて大きな音を出して威嚇することにしました。

何度か手を叩いてみましたが、クマは逃げていくことはなく、「ヴォー、ヴォー」とほえ続けていました。

こっちがちょっとくらい威嚇しても、クマはビビってくれないんですね。

車が通りかかって助かった

どうにもできず途方に暮れていたところに、偶然車が通過しました。

車をやり過ごして林のほうに耳を傾けると、クマの威嚇はなくなっていたんです。

どうやら、車の音に気づいてクマが逃げてくれたようでした。

本来なら、車は通れないはずの林道ですが、運良く車が来たので助かりました。

今でも、車が来なかったらどうしていたんだろう？と考えることがあります。

そのくらい怖い体験でした。

この経験から音が鳴るものを持ち歩くことにした

この怖い経験をしてから、「そうそうクマには遭わないだろう」という考えはやめ、音が鳴るもの持ち歩くようにしました。

今回の場合、私は、クマが居ることにまったく気づいていませんでした。なので、クマが襲おうと思えば、簡単に襲えたはずです。

ですが、先に気づいたクマは「こっちに来るな！」と言うように威嚇してきたんです。

音を出して積極的に自分の存在をクマに知らせれば、今回のように、威嚇されるだけで済む可能性があります。

昔からの言い伝えのように、熊鈴やラジオ、爆竹などでこちらの存在をクマに知らせることは意味のある対策だと実感したんですね。

それで、私が何を選択したかと言いますと、熊鈴とおもちゃの鉄砲にしました。

爆竹やロケット花火も考えたのですが、「山火事を起こしたら嫌だな」と思ってこの選択にしました。

特に、おもちゃの鉄砲は大きな音と火薬の匂いがするので、効果があるのではないかと考えています。

ただし、これは人慣れしていないクマに限った話です。人を襲って食糧を奪った経験があるクマは、人を目指して来るので、熊鈴は逆効果だという話もあります。

このことには十分に注意し、クマが人を襲った情報のあるエリアには釣りに行かないようにもしています。