バックカントリースノーボードで小規模雪崩に流された経験から学んだこと
私は、こちらの記事で書いていますが、小規模な雪崩に流されてヒヤリとした経験があります。
もう2度としたくはない体験ですが、この経験から学んだことは多く、それは今後のバックカントリースノーボードで、雪崩回避にとても役立つと感じています。
そこで今回は、この雪崩に流された経験から学んだことをご紹介します。
雪の結合の悪さは登っているときに確認できる
私が雪崩に流されたのは、スキー場から30分ほど登った地点です。
この30分ほどの登りの段階で、実は、雪の結合が悪いことには気づいていました。というのも、登るときに足を置いた場所の雪が、新雪の部分だけ簡単に滑り落ちていたからです。
なので、ピットを掘るまでもなく、前回までの積層と今回降った新しい雪の結合が悪いということは判断できていました。
それにもかかわらず滑ることにしたので、雪崩を引き起こし、流されてしまったのです。
登っているときに感じた、雪の結合が悪いという情報通りに雪崩が起こってしまったんですね。
このことから、滑る直前にピットを掘って確認するのも大切ですが、登っているときに雪の状態を確認しながら登っていくことの大切さを学びました。
そして、これ以降は、常に雪の状態を観察しながら登るようにしています。
*実際に観察しながら登ってみると、登りながらチェックする方が、より広範囲の雪の情報を知ることができるんです。これは雪崩の危険を察知することにつながると感じています。
1ターン目でカットすることは有効
雪崩回避の方法で、最初の1ターン目をわざと雪崩を起こすように滑って、雪崩が起きないかを確かめてから滑る方法があることは知っていました。
流されてみて、これが実際に有効であると学びました。
このときは、最初にカットせずに滑り出したので、雪崩が発生した瞬間に気付くことはできたのですが、結局、雪と一緒に流されてしまったのです。
もしもこのとき、最初にカットしてから滑り出せば、雪崩が発生しても一緒に流されることはなかったと思っています。
この説明ではちょっと分かりにくいと思いますので、どういうことか、写真を使って詳しく説明させて頂きます。
まず、1ターン目でカットした場合です。
この写真は実際に雪崩を起こしたのとは別の場所ですが、例えば、黄色の丸の部分から滑り出し、そこで雪崩が発生したとします。
発生した雪崩は、水色の矢印の方向に向かって流れていきますね?
それで、カットするように滑る場合、滑る方向は緑色の矢印になります。
このように滑ると、雪崩が発生して水色の矢印に向かって雪が流れても、滑っている方向が違うので巻き込まれにくいです。
また、仮に巻き込まれたとしても、雪崩の上部にいるため、後ろから襲ってくる雪に埋まってしまう確率はかなり低くなります。
これに対して、カットせずに普通に滑り出した場合です。つまり、私が巻き込まれた状況ですね。
私は、最初にカットをせず普通に滑り出したので、進路を下に向けていました。写真で言いますと緑色の矢印のように滑っていったんです。
発生したばかりの雪崩のスピードは遅いので、緑色の矢印のルートで滑っていた私は、発生した雪崩よりも早く滑っていました。結果、自分から、これから雪が滑り落ちてくる場所に滑っていってしまったのです。
そのため、滑り落ちる雪に足を取られて、そのまま雪と一緒に流されてしまいました。
これが、最初にカットしていれば、先に説明したように、流されて怖い思いをしなくて済んだはずです。
このことから、最初に雪崩を起こすようにカットしてみることが大切だと学びました。
エスケープルートを考えながら滑る
雪崩が発生したとき、これを回避するために2つのアイデアがとっさにひらめきました。
1つ目は、横に滑って雪崩から逃げるということです。これは、横に滑るには木の間隔が狭すぎて不可能でした。
2つ目は、雪崩よりも早く滑って逃げるということです。ですが、ツリーランを雪崩よりも早く滑るのは私の実力では無理と判断し、これも実行できませんでした。
2つのアイデアが一瞬で潰れ、他に何か出来ることはないかと考えたのですが、他には何も思い浮かびませんでした。
その結果、無力に流されていったんです。
結局、雪崩が起こってからどうするべきか考えても、パニックになっているので、良いアイデアは出てこなかったんですね。
このことから、滑り出す前や滑っている途中でも、常に雪崩が起こったらどうやって逃げるかを考えながら滑ることが大切だということを学びました。
エスケープルートを常に意識しておくということですね。
例えば、私が流された状況では、滑り出す前に逃げ込める木の隙間を探しておくことや、雪崩が発生しても狭い間隔で木がたっている場所は雪崩が起こりにくいので、そのギリギリまで滑っていって回避するということが想定できました。
このようなことをあらかじめ考えておくと、いざ雪崩が発生したとしても、すぐに回避行動ができたと感じています。
実際に流されたときの様子はこちらの記事で書いています。