雪崩を引き起こして学んだ!沢状地形で雪崩回避のために気をつけるべきこと

沢状地形の雪崩 アイキャッ

私は、南八甲田の赤倉岳にある沢状地形を滑ったとき、雪崩を引き起こしてしまいました。

そのときのデブリ(雪崩の堆積物)が、この記事の先頭の写真です。

このときの雪崩は、私が滑るスピードよりも遅かったので、まったく問題はありませんでした。

ですが、「雪崩のスピードが速かったら危なかったな」と思っています。

また、この経験から、沢状地形には沢状地形なりの、注意しなくてはならないポイントがあることを学びました。

そこで今回は、実際に沢状地形で雪崩を引き起こして学んだ、沢状地形を滑るときに気をつけたいポイントについて書いていきます。

雪崩が起こった日の状況

まずは、話を進めやすくするために、この日の状況について、簡単に説明させて下さい。

滑ったのは、南八甲田の赤倉岳東面。幅が10メートル弱の沢状地形で、斜度は35°くらいです。

滑ったのは、ゴールデンウィークの晴れた日。

5月の晴れですから、八甲田といえども気温が高く、前日に降った20センチほどの雪が融け始め、表面に水が浮いているようなコンディションでした。

私は、登りながら積雪の状況を確認していたため、「新雪は、前の層と結合しているから雪崩は起こらない。安心!」と思っていました。

ですが、スピードは遅いながらも雪崩は起こったのです。

雪崩の規範は、幅は4メートルほどでしたが、滑ろうと思っていた斜面のすべてが流れたので、長さは標高差で300メートルほどありました。

アイスバーンの層が滑り面となっていたので、面発生雪崩だったと思っています。

雪崩に気付いたのは、「あまりにも滑らない雪で困った」と思い、対策を考えようと沢の端に寄って止まったときです。

ザザーという音がしたのでふと斜面の上を見上げると、上からゆっくりと雪が落ちてきたのです。

この雪をそのまま通過させ、そのあとは雪崩の後ろを、雪崩を観察しながら滑りました。

この経験は、普段の滑走とは違い、雪崩を観察しながらだったので、いろいろと学ぶことがあったんです。

前置きが長くなりましたが、以下で、このとき学んだ気を付けるべきことについて紹介していきます。

沢の両岸の積層を確認する

まず、いちばん気を付けるべきだと感じたのが、沢の両岸の積層を確認するということです。

冒頭でも書いたように、この日の私は、雪崩が起こることをまったく想定していませんでした。

それなのに雪崩が起こってしまったのです。

その原因が、沢の右側と左側で雪の状態が違うということでした。

下の写真をご覧下さい。

沢城地形での日差しの違いの

これは、沢状の地形を滑ったときに撮影した写真です。見ると、沢の右側には日光が当たっていて、左側は日陰になっていますよね?

沢状地形では、このように、片面に日が当たり、片面には日が当たらなかったりします。

そのため、両岸では雪の状態が違うことがあるんです。

この日も、沢の右側は、新雪の下は柔らかい雪層で、前日に降った新雪と強く結合していました。

ですが、左側の日の当たらない面は、新雪の下がアイスバーンで、新雪とは結合していなかったのです。

これは私の推測ですが、新雪は前日の日中に降りだしたものだと思われます。

そのとき、沢の右側は日が当たり、表面が融けていたので、新雪と結合しました。ですが、日が当たらない面は、融けずにアイスバーンのままだったので、新雪とは結合しなかったのです。

それなのに私は、日が当たる面を登りながら雪の状態を確認していたので、「結合しているから雪崩は起こらない」と判断してしまいました。

結果、確認していない沢の左半分だけで、雪崩が起きたんです。

沢状地形では、このように、面によって積層が違うことがあります。そのため、沢の片面だけをチェックして安全だと判断してはいけないと学びました。

これからは、雪の状態が両岸で違うことを想定し、両方を確認してから滑りだそうと思っています。

沢状地形は雪崩が起きたら危険

上で書いたように、この日の雪崩は、沢の左側だけが雪崩を起こしました。そのため、幅が4メートルほどの小規模な雪崩で済んでいます。

それでも、雪崩を観察しながら滑っていると、沢城地形では、小規模な雪崩でも危険だということを感じました。

そう感じた理由が、以下の2点です。

・雪が集まり堆積しやすい場所がある
・雪崩から逃げにくい場所が多い

雪が集まり堆積しやすい場所がある

雪崩を観察しながら滑って分かったのが、沢がカーブしているところなどに、大量の雪が堆積するということです。

流れた雪は、基本的に沢の底に集まって落ちていくのですが、沢が狭くなったところやカーブしているところでは、落ちて行けずに溜まっていました。

雪崩に遭っても、埋まらなければ、最悪な事態は避けられます。

実際、詳しくは小規模雪崩に流された体験と流されているときに出来たことの記事で書いていますが、私も雪崩に流されたことはありますが、埋まることはなかったので無事でした。

ですが、沢状地形だと雪が大量にたまる場所があったんです。

ここで巻き込まれたら、小規模な雪崩でも埋まってしまう危険があると感じました。

雪崩から逃げにくい場所が多い

もうひとつ感じたのが、「ここで雪崩に気付いても逃げられないな」という場所が多いことです。

沢状地形では、沢の両端が高くなっているので、そこまで登れば、雪崩を避けられる可能性が高くなります。

実際、私が雪崩に気付いたときも、沢の高い所で止まっていたので、雪崩はその下を通過していきました。

ですが、沢の底で雪崩に気付いた場合、沢の高い部分に滑って登るにはスピードが必要です。

しかし、沢状の地形だと、そのスピードを常に維持して滑るのは、私の実力では難しいと思ったのです。

例えば、沢が狭くなっているところや、カーブしているところでは、先が見えません。見えないのにスピードを乗せたまま突っ込むのは怖いので、どうしても減速してしまうんです。

このような減速した場面で雪崩に気付いても、スピードがないので、沢の壁は登れないでしょう。

結果、雪崩に気付けても、沢の壁を登れずに、雪崩に巻き込まれてしまうのではないかと思ったのです。

以上のように、沢状の地形で雪崩が起こってしまうと、巻き込まれたり、埋まったりする確率が高いということを学びました。

なので、雪の安定性に自信がない限り、沢状地形に滑り込むのは避けようと思っています。

注意しながら滑ることが重要

上で書いてきたように、沢城地形では、積層の違いによる雪崩のリスクを見落としたり、雪崩に遭ったときに埋まりやすかったりと危険が多いです。

沢城地形は、地形の変化が多く、両側に当て込むこともできるので、滑ると楽しいですよね?

パウダーが溜まっていることも多いので、私もついつい滑り込んでしまいます。

ですが、今回の経験から、危険も多いので十分注意する必要があると感じました。

実際、この日は気温が高なったので、重い雪になりました。そのため、雪崩のスピードが遅く問題ありませんでしたが、もし気温が上がっていなければ危なかったのではないか?と思っています。

追記

この経験で学んだことを踏まえて、実際にどのように滑ると良いかについてはこちらの記事で書いています。

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