遭難防止に!山菜採りなどで山に入る方にGPSアプリを勧める理由
本格的な登山ではなくても、山菜採りやキノコ採りなどで山に入る方に、道迷いによる遭難を防ぐためにやってほしいことがあります。
それは、お使いのスマートフォンにGPSアプリを入れることです。
私は、バックカントリースノーボード・渓流釣り・キノコ採りなどが趣味のため、山に入る機会が多いのですが、遭難防止のために5年以上前からスマホでGPSアプリを利用しています。
その感想として、スマホでGPSアプリを利用すれば、遭難のリスクをかなり減らせると感じています。
GPSというと高価なイメージがありますが、使っているスマホにアプリをインストールするだけなら金銭的な負担はほとんどありませんし、持ち物が増えることもありません。
ですので、山菜採りやキノコ採りなど、登山に比べて気軽に山に入る方にもGPSアプリを入れて欲しいと考えています。
そこで今回は、GPSアプリを入れるべき理由について書いていきます。
山菜採りやキノコ採りは道に迷いやすい
私は、3000m級の山を登る本格的な登山の経験はありませんが、日帰りでできる軽登山なら経験があります。
その経験から、登山よりも山菜採りやキノコ採りの方が道に迷いやすいと感じています。
登山の場合、基本的に登山道を歩きますし、登りは山頂で下りは登山口を目指すので進む方向が一定です。ですので、方向を見失いにくく道に迷いにくいです。
また、歩くことが目的なので、同行者とはぐれることも少ないと感じています。
それに対して、山菜採りやキノコ採りの場合には、登山道を外れて歩くことが多いです。そして、目的の山菜やキノコが見つかった場合には、「おぉー、あったー」と下を向いて採ることになります。
採るのに夢中になっていると、「こっちにもあった」「あっちにもあった」と下を向いてグルグル歩き回ることになります。そうすると、ふと顔を上げたとき、「どっちから来たんだ?」となりやすいのです。
実際に私も、山ブドウをとっている時にそうなった経験があります。
山ブドウというと高いところにあるイメージですが、その木は、私の身長くらいの高さでした。その高さで横に広がっていて、本当にたくさんの実を付けていたんです。
バッグを置いて夢中になって採っていたのですが、ふとまわりを見たときに、「バックどこに置いた?」となったんですね。
探してみても、夢中で採っていたためどっちから来たか分からす、バッグを置いた位置に戻れなくなってしまいました。
この時は、案内してくれた人が、「こっちだよ」と言ってくれたので事なきを得ましたが、本当に焦ったんですね。
また、山菜などを採っていると夢中で進んでしまうため、同行者とはぐれてしまう可能性も高くなります。誰かに連れて行ってもらった場合、自力で戻ることを想定していないこともあるので、はぐれると道に迷ってしまいます。
このように、山菜採りやキノコを採リでは、
・登山道を外れて歩くことが多い
・夢中になって周りの景色を確認せずに採っているためどちらから来たか分からなくなる
・同行者とはぐれるリスクが高い
のような理由で、道に迷いやすいのです。
方向を見失ってから現在地を確認するのは難しい
それで、道に迷ってしまうと、再確認するのは非常に難しいです。
よく「遠くの山を見て方向を確認する」とか「地図とコンパスで現在地を知れる」などと言われますが、周りの景色がいつもよく見えるとは限りません。
天気が悪かったり林の中だったりすると見通しが利かないですし、そもそも、条件が悪いから現在地やが分からなくなり道に迷ってしまうのです。周りを見たって、簡単に再確認できないのは当然です。
「迷ったら来た道を戻れば良い」とも言いますが、登山と違って道を歩いていませんから戻る道がありません。せめて来た方向に戻れれば良いのですが、採るのに夢中になって方向感覚を失っていると、本当にどっちから来たかも分からなくなってしまうのです。
自分の足跡を辿って戻る作戦もありますが、山菜採りやキノコ採りの場合には、採りながら歩いているので足跡も直線ではありません。グチャグチャになっているので、それも難しいんですね。
加えて、誰かに案内されてきたのにはぐれてしまった場合では、自力で戻ることを想定していないので、現在地がどこかどうやって戻るのかは分かるはずがありません。
GPSアプリを使うメリット
このように、山菜採りやキノコ採りの場合、登山に比べても道に迷いやすく再確認も難しくなります。
それにも関わらず、山菜採りやキノコ採りの方は、登山する方に比べて遭難に対する備えが少ないように感じます。
そこでオススメしたいのが、冒頭で書いたようにスマホにGPSアプリを入れることです。アプリを使うだけで、道に迷って遭難するリスクをかなり減らせます。
ぶっちゃけて言ってしまうと、「GPSアプリを使えば、道に迷って遭難することは無いんじゃないか」くらいに思っています。
では、なぜそのように感じるかについて書いていきます。
GPSアプリというのは、GPS衛星からの電波を受け取って、スマホの画面に自分の現在置を表示してくれるアプリです。カーナビをスマホで使っているようなイメージですね。
GPS電波は、携帯の電波とは違いますから、アプリは携帯の電波が届かないところでも使えます。なので、どこにいてもスマホに自分の位置を表示してくれるのです。
道に迷って遭難というのは、自分がどこに居るか分からなくなって起こるものですから、地図上に現在地を表示してもらえば回避できます。
車を置いた地点などの出発地と、現在地さえ分かっていれば道に迷うことはないんです。
例えば、私は山旅ロガーGOLDというアプリを使っているのですが、このアプリを使って山菜採りに行ったときの記録が下の画像です。
仮に、出発地点を◇として、矢印で示した地点で迷ったとしましょう。
赤い線が歩いた軌跡ですので、迷ったとしても自分の軌跡を出発点につなげるように歩いていけば、自然と出発した地点に戻れるのです。
これは知識のない人が戻るための方法ですが、地図が読める方なら低い方に行けば良いとか、コンパスを持っていれば北西に進めば良いとかいう使い方もできます。
今回は私が使っているアプリを例に出しましたが、他のGPSアプリアプリでも歩いた軌跡と現在地を表示してくれるのもであれば、自分がどこに居てどちらに進めば良いか分からないということがなくなります。結果として、道に迷って遭難することがなくなるのです。
これが、私が山菜採りなどで山に入る人にはGPSアプリを使って欲しい理由です。
まだGPSアプリを使っていない方には是非使って頂きたいですし、家族や友人で山にはいる人がいる場合には、遭難防止のためにもアプリを入れることをオススメして欲しいと考えています。
最後に、どのアプリを使うにしても、使い方にはある程度の慣れが必要になるでしょう。けれど、試すだけなら自宅周辺を散歩するときに試せます。何度か試してから山に入るようにして、遭難のリスクを減らして下さい。
私が使っている山旅ロガーについては、こちらの記事で詳しく書いています。