沢状地形で雪崩に巻き込まれないために!滑走中にすべき対策
私は過去に、沢状の地形を滑っているとき、小規模ながら雪崩を引き起こしたことがあります。
その経験から、沢状地形に滑り込むときは、雪の安定性を十分にチェックするべきだと学びました。
このことについては、雪崩を引き起こして学んだ!沢状地形で雪崩回避のために気をつけるべきことの記事で書いています。
ですが、どんなに慎重に確認しても、100%の安全はありません。
なので、もし雪崩が起きたとしても、それを避けられるような行動をする必要があるとも感じています。
そこで今回は、雪崩回避のため、滑っているときにできる対策について書いていきます。
止まるときは沢の高い場所で
1つ目の対策は、沢の高い所で止まるようにするということです。
上の写真でいいますと、赤丸の部分ではなく、青丸の部分で止まるようにします。
仲間を待つときや、ルートを選定するときなど、滑走中に止まらなくてはいけない場面ってありますよね?
そのとき、沢底ではなく、壁を登って高いところで止まるだけで、雪崩に巻き込まれるリスクを減らせると、雪崩を起こして感じたのです。
というのは、私が雪崩に気付いたのは、沢の高い所で止まっているときでした。
落ちた雪は、沢底に集まって流れて行くので、高い所に居た私は、何もせずに雪崩を回避できたんです。
雪崩講習会などで、「雪崩の通り道を避けて止まる」と習っていたので、なんとなく高い所で止まるようにはしていました。
その行動が、実際に雪崩を回避させてくれたので、高い所で止まることは大事だと実感したんです。
沢底のほうが、滑ってくる仲間を見つけやすいので、ついつい沢底で止まりたくなります。
ですが、雪崩は沢底に集まって流れていくので、ここを避けて止まること大切です。
沢の底では減速しない
2つ目の対策が、沢底で減速しないということです。
雪崩を観察しながら滑っていて、「ここで雪崩に気付いても逃げられないな」と思う場所が多くありました。
具体的には、沢が狭くなったり急カーブしたりして、先が見えない場所です。
先が見えなければ、スピードを乗せて突っ込むのは恐いので、どうしてもブレーキをしてしまいます。そのような状況で雪崩に気付いても、スピードがないので沢の高い部分に登れません。
結果として、沢底から抜け出せずに、雪崩に巻き込まれてしまうと思いました。
これを避けるためには、いつでも沢底を脱出できるスピードをキープして滑るべきですが、先が見えないところに突っ込むのは、よほどの滑走スキルがなければ難しいです。
私の実力では、逆に危険を伴います。
この対策として思い付いたのが、ブレーキをするのではなく、減速したくなったら沢の壁を登るということです。
ブレーキをしなくても、沢の壁を登れば、スピードは落とせます。
先程も書きましたが、沢の高いところにいれば雪崩を回避できる確率は上がります。また、先が見えたら高いところにいるのでスピードを乗せて滑り出すこともできます。
つまり、ブレーキ代わりに壁を登れば、沢底でスピードを失ってしまうことがなくなるんです。
沢底で減速するのではなく、滑っているスピードを高さに変えるだけでも、安全性は高まると感じています。
常に雪崩が起きていないか確認する
3つ目の対策は、基本的なことになりますが、常に雪崩が起きていないかを確認しながら滑ることです。
沢城地形では、落ちた雪は沢底に集まって流れていくので、その規模が小さければ、ちょっと壁を登るだけで回避できます。
雪崩は、発生した直後はスピードも遅く、規模も小さいです。
そのため、常に確認しながら滑れば、雪崩の発生に早く気付くことができ、巻き込まれるリスクを減らせます。
ただ、私の場合で考えますと、何も考えずに滑り出したときには、雪崩が起きていないかを確認するのを忘れがちです。
ついつい、前だけを見て滑ってしまうんですね。
なので、滑り出す前に「雪崩が起きていないかチェックしながら滑る」と意識づけ、そのことを忘れないように滑り続けることが大切になります。