【八甲田銅像ルート】前嶽山頂を経由する価値はあるのか?

前嶽山頂経由 アイキャッチ

八甲田のツアールートの1つである銅像ルート。

八甲田のバックカントリー好きなら、滑ったことがある方も多いと思います。

ただ、このルート。基本的には、前嶽の山頂には登らずに、前嶽の肩口から滑るルートなんですよね?

私としては、「少しでも滑る距離を長くしたいし、せっかくなら山頂から滑りたい!」という気持ちがありました。

というわけで、先日、友人と2人で、前嶽山頂を経由してみたんです。

今回は、その経験から、わざわざ前嶽山頂を経由する価値があるのかについて書いていきます。

今回のルート

まずは、今回どのようなルートを通ったかをご紹介します。

八甲田ロープウエーの北八甲田山岳スキールート図[PDF]では、銅像ルートは、下の画像のように、前嶽の山頂を通らないものになっています。

スキールート図

それに対して、今回、スマートフォンのGPSアプリで記録したログが下の画像です。

GPSアプリによる軌跡の図

ほとんど銅像ルートと同じですが、前嶽の山頂を通っていますよね?

山頂を経由する価値はある

結論からお話ししますと、前嶽山頂を経由する価値は、十分にあると感じました。

そう感じた理由は、

・滑りは山頂経由のほうが滑りは楽しい
・山頂経由にしても登りはラク
・銅像茶屋からの眺めが違う

ということです。

それぞれについて詳しく説明していきます。

滑りは山頂経由のほうが楽しい

山頂を経由したほうが、滑りは断然楽しめると感じています。

というのは、山頂経由で滑ったほうが、斜度のあるバーンを滑れるからです。

前嶽の斜度の説明の図

GPSアプリのログを使って説明すると、私が滑ったルートは赤のラインになります。

銅像ルートは、青のラインを滑るので、私の滑ったラインよりも斜度がありません。

斜度の感じかたは人それぞれですが、パウダーを滑るなら、山頂経由のほうが楽しめる斜度だと思っています。

また、気分的な問題ですが、山頂から滑る方が、山の途中から滑り出すよりもずっと気持ち良いです。

なんといいますか、一番高いところから一気に滑り降りるのは、本当に快感なんですね。

この意味でも、山頂から滑るほうが、滑りを楽しめると感じています。

それともう一つ。山頂から滑り出すと、ライン取りの幅が広がります。

前嶽山頂から滑れる場所の写

山頂からだと、上の写真の青線で囲んだ部分の好きなところを滑れます。自分の好みに合わせて、自由なライン取りができるんです。

これも、山頂経由の方が、滑りを楽しめると感じる理由です。

参考までに、このときに撮影した動画を載せておきます。

登りがラクだから

登りがキツくないのも、山頂を経由したほうが良いと思う理由です。

銅像ルートから前嶽山頂までは、標高差で約70メートルですから、登り慣れた人であれば、あっという間に登ってしまいます。

それほど体力に自信のない私でも、友人と話ながらゆっくり登って、20分ほどでした。

たった20分の登りで、上で書いたように滑りが楽しめるんです。

なので、ちょいと寄り道しても良いと感じました。

銅像茶屋からの眺めが違う

銅像ルートの終点は銅像茶屋です。天気が良い日なら、ここから前嶽をはっきりと見ることができます。

前嶽山頂から滑れる場所の写

山頂から滑った場合には、写真の青線で囲まれた部分を滑るので、茶屋から自分の滑ったラインが見えます。

前嶽山頂から滑ったラインの

写真では分かりにくいのですが、この日は青線のラインを滑って、銅像茶屋からはっきりと見えました。

ですが、基本的な銅像ルートですと、下の写真の赤で囲まれた部分を滑ります。ここだと角度が悪くて、銅像茶屋からはっきり見えないんですね。

銅像ルートを滑った場合の写

緊張から解放されて、自分が残したラインを眺めながら滑りを振り返る時間は、とても幸せです。

私はこの時間が大好きです。

同じように思っている方も、多いのではないでしょうか?

これが出来るのも、山頂を経由する良さだと感じています。

雪崩には注意が必要

以上のように、山頂からの滑走は良いところたくさんありますが、雪崩には注意しなくてはなりません。

過去には、前嶽で雪崩事故が発生しています。

山頂からの滑走の場合、銅像ルートに比べて斜度がキツくなるので、雪崩のリスクがより高くなります。

また、銅像ルートはメジャーなルートですし、ガイドツアーでも行きますから、滑る人も多いです。

滑る人が多ければ、弱層になる表面霜が潰されたり、滑走ラインによって斜面が凸凹になったりして、雪崩は起きにくくなります。

それに比べ、山頂を経由する人は少ないです。この意味でも、銅像ルートより雪崩のリスクは高くなります。

ですので、山頂経由は楽しいですが、雪の状態には十分過ぎるほど注意するべきだとも思っています。