【バックカントリー】リフトやロープウエイを使わずに自力で登るメリット

登るメリット アイキャッチ

バックカントリースキーやスノーボードで、リフトやロープウエイを使わずに、山麓から自分の足で登ったことはありますか?

私は、そういうバックカントリーも好きなのですが、他の人に話すと、「自力で登るのは大変そう」とか「疲れるだけじゃん」と返されます。

まあ、その通りで、3時間登って滑るのは10分以下だったり、滑るころには足が疲れていたりと、滑りを楽しむことを考えれば効率は悪すぎます。

ですが、山麓から自分の足で登ることには、メリットもあるんです。

今回は、リフトやロープウエイを使わずにバックカントリーに入る、意外なメリットをご紹介します。

雪崩が起こるのを察知しやすい

まず、自分の足で登る最大のメリットからご紹介しますと、雪崩が起こるのを察知しやすいので、安全性が高まるということです。

例えば、登っている最中に、足元の雪が滑り落ちたり割れたりすることがあります。

こういうときは、雪の結合が悪いとか、破断しやすいと判断し、滑るのを止めたり安全なルートに切り替えたりすることできます。

実際に私は、登っているときに足元の雪が滑り落ちて、「今日は雪の結合が悪いな」と感じた経験があります。

詳しくはこちらの記事で書いていますが、このときは、「雪崩が起きても小規模だから大丈夫だろう」と判断し、滑ることにしました。

その結果、予想通り小規模な雪崩が発生しヒヤリとしたんです。

結果として怪我もありませんでしたが、雪崩の予兆は登っている途中で分かったのだから、滑るのを止めるべきだったと反省しています。

バックカントリースノーボードで小規模雪崩に流された経験から学んだこと

このように、登っているときに、雪崩の予兆を感じることがあります。

バックカントリーで雪崩に巻き込まれるのは絶対に避けたいので、雪崩の予兆を感じられることは、大きなメリットだと感じています。

危険な場所・楽しそうな場所が滑る前に分かる

滑りたい斜面が見えるところを登るときは、危険な場所や楽しそうな場所が分かるのもメリットだと感じています。

山頂からだと、下の写真のように、滑るバーンが見えないことが多いんですね。

滑る斜面が見えない写真

下から登っていけば、「ここは岩が出ているから危険だ」とか「この辺はパウダーが溜まっているから面白そうだ」ということが分かるんです。

まあ、私の場合だと、イメージ通りに滑れることは少ないですし、滑っている最中に事前に考えていたプランが吹っ飛んでしまうこともあります。

それでも、何も知らずに滑り出すよりは、安全ですし楽しめてもいます。

自分の足跡が目印になる

登るときに付けた自分の足跡が目印になることも、山麓から登ることのメリットです。

例えば、私がよく登る八甲田の雛岳の場合、下の図の赤い矢印のルートで登れば、帰り道の目印になります。

自分の足跡が目印になる図

この図は、雛岳に登ったときにGPSアプリで記録したログです。赤の矢印のラインが、私が登ったルートになります。

滑り出す方向は青の矢印なので、自分の足跡を見つけたら、それを辿ればスタート地点に戻れます。

足跡さえ見つけられれば、緑の矢印のような変な方向に滑り降りてしまう心配がないんです。

このようなことは、新雪で足跡が目立つときだったり、登るルートと滑るルートがぶつかる場合だったりと、条件が良くなければできません。

ですが、条件が揃えば、自分の足跡は、帰り道の最高の目印になります。

なので、私は、初めて登る山で、ルートに自信が持てないときは、山麓から登ることが多いです。

滑ったあとの感動が大きい

自分の足で登ったほうが、滑ったあとの感動が大きいこともメリットだと感じています。

ゲレンデパウダーを滑るより、バックカントリーで滑るほうが、「この滑りは無駄にしたくない!」という気持ちになりますよね?

登った場合には、その気持ちがさらに強くなるんです。

「登りの苦労を無駄にしたくない!」という気持ちから、なんといいますか、1本の滑りの価値が上がるような気がするんですね。

ですから、滑り出すときは、リフトを使ったときよりも集中しますしドキドキします。

ドキドキしながら滑り始めたほうが、その反動からか、滑ったあとの感動は大きいです。(これは人によって違いがあるかもしれませんが・・・。)

バックカントリーは、感動や満足感を得るためにやっているようなところがありますから、感動が大きいのは、自分の足で登ることのメリットだと感じています。

山麓から登るのを試してみる価値はある

以上で書いてきたように、自分の足で登ることには、それなりにメリットがあります。

もちろん、リフトやロープウエイを使うのが悪いとは言いません。私も使ったほうがラクだし、滑りも楽しめると思っています。

正直に言ってしまえば、「できれば登りの苦労はしたくない」が本音です。

けれども、1度くらいは山麓からの登山を経験してみるのもアリだと思いますよ。