【雛岳バックカントリー】登りのルートはどこが良い?実際に登った感想
雛岳にバックカントリーに行くにあたって、どのルートで登るかで迷っていませんか?
私は、過去に何度も雛岳に登り、一般的な2つのルートを、どちらも登ってみました。
今回は、その経験から、どのルートが良いかを紹介していきます。
2つのルートが一般的
冒頭で書いたように、雛岳に登るには、2つのルートが一般的です。
上の地図の、赤線か青線のルートですね。
私としても、このどちらかを登るのが良いと思っています。
というのは、2つとも尾根を登るルートなので、比較的安全で分かりやすいからです。
実際、登山者のほとんどが、この2つのルートを登っています。
どちらが良いかは状況によって変わる
では、この2つのルート。どちらが良いかですが、一概には言いにくいです。
なぜなら、どちらのルートにも良いところと悪いところがあって、それが天候や雪質の変化で、目立ったり目立たなかったりするからです。
なので、結論としては、その日の状況に応じて、登るルートを変えるべきだと思っています。
実際、私自身も、状況によって2つルートを使い分けています。
では、以下で、ルートのざっくりとした特徴と、なにを基準にルートを決めているかを紹介していきます。
赤のルートの特徴
赤のルートの特徴は、青のルートに比べて斜度が緩いことです。
なので、登りやすいですが、距離は長くなります。
また、中腹からは開けた尾根を登るので、風に叩かれ雪が固くなっています。
そのため、青線のルートに比べて、ラッセルの苦労は少ないです。
青のルートの特徴
青のルートは、赤のルートと比べて距離が短くなりますが、その分、ちょっと斜度がキツくなります。
そのため、登るのに苦戦する場所が、赤のルートに比べて多かったです。
また、山頂付近まで木の中を登るので、柔らかい雪を登る距離が長くなります。
赤いルートが良いとき
このことを考慮して、どんなときに赤いルートを選ぶかを挙げていきます。
ラッセルがキツいとき
ラッセルがキツそうなときは、赤のルートを選んでいます。
先ほども書きましたが、このルートは中腹から開けた尾根を登ります。
この部分は、雪が固くなっていることが多いので、ラッセルの必要がありません。
青のルートは、登りの9割ほとがラッセルになりますが、こちらは登りの半分くらいがラッセル無しで済みます。
ですから、新雪が深いときは、こちらのルートを選んでいます。
風がないとき
ただ、このルートは、ラッセルが少ない代わりに、開けた尾根を登るので、風の影響を受けます。
雪が飛ばされたりして、ラッセルが少なくて済むのは、風が良く当たる尾根という証拠なんですね。
なので、風が強い日は危険ですし、ラッセルするよりも苦労します。
ですから、風がない日にこちらのルートを選びます。
登り慣れていない仲間と登るとき
私には、その機会はほとんどありませんが、登り慣れていない仲間と登るときも、こちらのルートが良いと感じています。
スノーシューで登る場合、慣れていないと、斜度がキツくなれば登りが一気にツラくなります。
なので、距離は長くなりますが、斜度が緩いこちらのルートがラクだと思っています。
青のルートが良いとき
続きまして、青のルートを選ぶときを挙げていきます。
メンバーが多いとき
メンバーが多かったりして、ラッセルの苦労が少ないときは、こちらのルートを選びます。
なんといっても距離が短いので、交代で階段を作るように登っていければ、赤いルートに比べてラクになります。
ですから、ラッセルに強いメンバーが居たり、人数が多いときには、こちらのルートが良いです。
春雪などでラッセルがないとき
例えば、ゴールデンウィークの春スキーなど、ラッセルがほとんど必要がない日も、青のルートを選びます。
さすがの八甲田も、春になればザラメ雪になっていて、ラッセルが必要ない日も多いです。
ラッセルがなければ、多少斜度はキツくなりますが、距離が短いほうがラクに感じます。
ただ、八甲田ではゴールデンウィークでも降雪がありますので、その日の状況によって見極めが必要ですね。
風が強いとき
風が強いときは、青のルート一択です。
このルートは、登りの9割ほどが木の中を進むので、風の影響を受けにくいです。
最悪、風が強くて山頂に行けなくても、こちらのルートを使えば9合目付近からの滑走を楽しめます。
(赤のルートだと、5合目付近から風の影響を受けます。)
山頂のオープンバーンは滑れなくなりますが、9合目からの滑走でも雛岳は楽しいです。
なので、山麓から見て、風が強そうだと感じたときは、こちらのルートを選びます。
迷ったら風を判断材料にする
以上で書いてきたような基準で、どちらのルートにするかを選んでいます。
いろいろな要素から判断していますが、この中で私が1番重要視しているのが風です。
もしも、どちらのルートにするかで迷ったら、風がなければ赤のルート、風が強ければ青のルートと判断しても良いと思っています。